家を造る
最初の打ち合わせから設計士の天久さんが来てくれることになったので、どのような家を建てたいのか的確に伝えるために、なんらかの資料を用意しようか、と考えました。
でも、天久さんが設計した家を見ていましたので、余計な要望は出さずに私たち家族のプロファイル、新しい家での理想の生活、などを文章で書いてお渡しするにとどめました。そのほうが、設計士さんに自由に描いていただけるかな、と思ったからです。
何畳の子供部屋がいくつ、寝室はこのくらいの広さ、などと具体的にお願いしてしまうと、他の工務店でも決まりきった図面しか出てきませんでした。こちらのお願いは何でも聞いてくれてその通りに図面を書いてきてくれる工務店さんはいくつかありましたが、なるほど、というモノにはならないんです。やはり、施主は家の素人ですから、プロである設計士さんや工務店さんの苦い言葉も必要なのかもしれませんね。できないこと、家のためによくないものははっきりそう言ってもらいたいのです。
こんな苦い経験もあって、設計士さんの創造力を縛るような真似だけは避けたいという意図がありました。
後で聞いたところでは、天久さんはこのプロファイルもさっと目を通しただけで、あまり気にしないようにして図面を描いたそうです(笑)。それでも、私たちが一目ぼれしてしまう図面がでてきたのですから、不思議なものです。
打ち合わせの場では、本当に良い家ってどんなもの? というような話になって、お金のことも含めて殆ど具体的な話はしないままでした。土地の特徴を活かす家を造るため、じっくり敷地を見てから設計するということで、2週間後くらいには設計図を見せてもらう約束をしてお別れしました。いい家を建てるために良い勉強にはなったものの、正直、「本当にこんな抽象的なお話だけで、私たちの欲しい家の設計ができるのかしら?」と思ってしまいました。